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歴史

photo三足土器は仰韶文化期に出現し、竜山文化期にもみられる

 北隣りの陽原県の泥河湾遺跡では最大200万年前と推定される石器や脊椎動物化石が多数発掘され、アジア最古の人類遺跡として注目されていますが、その後、蔚県でも同時代の大規模な遺跡が発見されています。
 仰韶文化、竜山文化、紅山文化は中国の新石器時代の代表的な文化ですが、蔚県はその3つの文化の交差点で、それぞれの特徴につらなる土器がたくさん発掘されています。
 春秋時代、ここには代国と呼ばれる国がありましたが、戦国の雄・趙に滅ぼされてしまいました。その後の変遷をへて、東魏の時代に蔚州と呼ばれるようになり、それが長く定着しました。「燕雲十六州」の一つで、遼・金代には北方民族の支配下におかれました。
 明代になると北方民族に備える最前線になり、清代には南の農耕地域と北の遊牧地域を結ぶ交易の要路として商業が発展し、山西商人の根拠地として栄えました。今日の人びともこの蔚州の呼び名に強い愛着を感じています。
 あ、そうそう! 明清の蔚州には今日の蔚県と(大同市の)広霊県、霊丘県が含まれ、山西省大同府に属していました。広霊県との結びつきはいまも強く、言葉や習慣もよく似ています。

 

photo切り抜いた紙に、何本もの筆で繊細な色彩をほどこしていく

 20世紀のはじめ北京と張家口を結ぶ鉄道が開通し、まもなくフフホトまで延伸されました。これまで交通の要衝として栄えた蔚県は、これによって主要ルートからはずれてしまい、いっきに寂れます。それまでの繁栄が瞬間冷凍保存され、たくさんの古堡、舞台、豪商の屋敷などが残されました。それらが現在も大切に保存され、りっぱな観光資源になっています。

 

 蔚県名物、剪紙(切り絵)の歴史は約200年。県の人口の5%が従事する一大産業で、切り絵専業の村があります。繊細に切られた紙を何枚も重ねて陰影を表した肖像画や、美しく彩色された大きな作品などは、芸術の名に値するものです。

 

 明清代の古堡が大切に保存されている暖泉鎮は、ぜひ訪ねたいところ。数々の映画やTVドラマのロケ地として知られ、香川照之が出演した姜文監督の映画「鬼が来た!」(2000年)もここで撮影されました。
 そして、なんといっても“打樹花”。溶けた鉄を城壁にぶつけて花火のように楽しむという、中国でもここでしかおこなわれないものです。貧しくて元宵節の花火を買えなかった人びとが花火の代わりにはじめたというのですが、危険だし体力が必要だし、現在できる人が4人しかいないというのもうなずけます。

 

photo煮えたぎった重い鉄を柳の柄杓ですくって壁にぶつける打樹花
photo暖泉鎮西古堡の古い街並