GENの活動
活動理念
かけがいのない地球が深く傷ついています。
大量生産と使い捨ての社会は、豊かさ・便利さを実現したようにみえながら、じつは生命そのものの危機をももたらしました。
「ライフスタイルの転換が必要」という人は日本でもいまや多数派であり、それを具体化する道を探っていきましょう。
地球のもう一方には、環境破壊と貧困の悪循環に苦しむ人たちがいます。
なかでも森林の消失による環境悪化によって、広大な地域で人びとの生活基盤そのものが失われつつあります。
環境に国境はありません。
地球はますます小さくなっています。
私たちは自分の足元で緑を守り、緑とともに生きることを追求するとともに、地球環境のための国境を越えた協力をめざします。
とりわけ、水土流失・沙漠化・洪水と生存をかけてたたかい、森林をとりもどそうと努力している人びととしっかり結びつきたいと思います。
地球のどこかで再生する緑は、ときがたてばたつほど、その意味を明瞭にするでしょう。
私たちのネットワークが広がり、深まれば、より多くの地域と協力関係をもつことができます。
新しい共生、新しい循環の可能性を求めて、一歩をふみだしましょう。
緑の地球ネットワークが求めるのは、自立した諸個人の多様な結びつきです。
いま環境のためになにをなすべきか、一人ひとりがその気になればできることはたくさんあります。
まずは自発的に行動し、お互いに尊重しあい、信頼の原則のもとに新しい広がりをつくりだしましょう。
緑の地球--22世紀に可能性を生み出すために!
(緑の地球ネットワーク結成アピール(1992年)を一部修正)
実施プログラム
緑化協力活動
緑の地球ネットワークの緑化協力活動地は、中国河北省張家口市蔚県、中国山西省大同市と、宮城県(岩沼市、名取市)です。
【植樹実績】
大同(約1890万本、約5900ha)
蔚県(約17万9千本、約121ha)
宮城(約2400本、約0.6ha)
東北海岸林の再生支援
宮城県名取市閖上のゆりりん愛護会に協力して、津波で流された海岸林の再生にたずさわっています。
2015年から東北海岸林再生ツアーを同会主催の植樹祭に派遣し、2400本あまりのクロマツを岩沼市寺島地区と仙台市荒浜地区に植えました。
水に恵まれた日本では成長が早く、また、ゆりりん愛護会で除草など丁寧に世話をしていただき、初期に植えた苗は背丈ほどに育っています。
防風防砂林を再生し、白砂青松の風景を再生しましょう。
スタディツアーの実施
お金を送るだけではない、顔の見える協力関係を築こう。
そのために、原則として4月・8月にツアーの派遣を続け、また、協力団体のツアーを受け入れてきました。
これまでに日本からのべ3900人ほどが大同または張家口市蔚県を訪れています。
地元の人たちといっしょに汗を流して木を植えたり、学校を訪ねて子どもたちと交流したり。
湿地保全や野鳥保護について考えたり、壮大な展示を誇る博物館を見学したり、旅をともにする人たちと語り合ったり。
時には大同を訪ねて緑化の実績を再確認したり。
比較的ゆったりした自由度の高いツアーです。
自分の目でみて、耳で聞き、手で触れて、味わって、そして心を触れ合って。
自分の生身の身体でしか体験できないことがたくさんあります。
ツアー参加者によるスタディツアー日誌
スタディツアーの参加者に書いてもらった日誌を公開します!
ともに学ぶ活動
自然と親しむ会の開催(オンサイト)
身の回りの自然を見直し、緑の有り難さ、日本の自然の素晴らしさを感じましょう。
無煙炭化器を使った炭焼きと焼き芋を楽しんだり、キノコの観察会をしたり、バードウォッチングを楽しんだり。
植物園を訪ねても、専門家に案内してもらうと、自分ひとりでは見逃していたことがいっぱいあって勉強になります。
GEN会員でなくても参加できます。
講演会・勉強会の開催(オンライン/オンサイト)
こんな話を聞きたい、こんな話を聞いてほしい、という思いにこたえるGENなんでも勉強会をはじめ、講演会やシンポジウムなども開催します。
オンラインも活用して、どこからでも気楽にアクセスできる機会を提供します。
関東ブランチの活動(オンライン/オンサイト)
GEN事務所は大阪にあるので、日頃の国内活動は関西が中心になります。
けれども、会員やツアー経験者は関東にもたくさんいます。
その有志が集まって、関東で月例会や自然観察会を開いています。
月例会はオンラインが中心になっています。
教材開発
GENには、これまで25年以上黄土高原で積み重ねてきた草の根緑化協力の経験が蓄積されています。
これらの活動にご協力いただいた研究者、技術者、GENの世話人の協力をえながら、市民、学校関係、企業関係の方などを対象に、乾燥地緑化や広く森林に関わる環境トピックスを学ぶためのプログラムの提供を企画しています。
GENの取り組みとSDGs
GENの協力活動は、木を植えることから始まりました。緑被が失われ、大雨のたびに水が表土を押し流す「水土流失」を食いとめるためです。
そうすれば畑地が豊かさを取り戻し、荒れた山は森林に戻ると考えました。
具体的には、山のふもとにマツの木を植え、村の耕作放棄地にアンズを植えました。「陸の豊かさを守ろう」ですね。
アンズは小学校付属果樹園と名付け、利益の一部を教育の改善につかうことにしました。「質の高い教育をみんなに」。
失学する子は女児が多かったので、その子たちに就学の機会を保障したことは「ジェンダー平等を実現しよう」にも通じます。
また、炭素固定に一定の役割を果たす森林を回復することは「気候変動に具体的な対策を」に沿った活動ですし、なにより現地のカウンターパートと力を合わせて問題を解決してきた過程は「パートナーシップで目標を達成しよう」そのものです。
SDGsの17のゴールはお互いに関係しあい、分かちがたいものだということが、GENの「木を植える」からはじまった活動がこれほど多岐にわたるゴールと関係していることからもわかります。