食糧危機
10年も以前から「ラーメンが1杯1,000円になったら日本も危ないぞ」と言い続けてきたけれど、誰も本気にしていなかった。ここにきてにわかに世間が騒ぎはじめている。まだ1,000円にはなっていないが、ほぼ近い値段になってきている。それでも世間にはまだ危機感がない。私に言わせれば、きわめて危険な状態に近づいた、のである。以下、以前からの私見をもう一度述べてみたい。
気候変動
温暖化の影響もあって、地球上の気候に変化が現れてきた。台風が勢力を強めている。アメリカのハリケーンは風速80メートルにも達しそうな状態となり、数年前石垣島では風速70メートルを記録した。台風のコースが従来と変わってきた。温帯で勢力が落ちない傾向が強くなった。これは海水温が高いためという。日本海で冬に風速30メートルを超える台風なみの低気圧が現れるようになった。これは冬台風と呼ぶべきものだが、台風とは熱帯で発生するものだから「爆弾低気圧」と呼んでいるらしい。最近ミャンマーを荒らしたインド洋のサイクロンも勢力を増大させている。あまり出現しなかった「竜巻」の発生が増えた。
水不足
これも気候変動によるが、世界中で水不足が甚だしい。中国北部ではすでに体験済みだが、オーストラリアの干ばつは今回の食糧危機のひとつ要因になった。世界の穀倉地帯では、地下水または川からの灌漑で農業がおこなわれている。地下水は世界中で低下しており、その収支は明らかでない。川の水量は低下が続いており、消滅した湖も後を絶たない。先進国で天水だけで農業ができるのは日本だけのようだ。水の豊富な日本では水不足に危機感がない。
雨が降らないにもかかわらず、洪水が多い。まんべんなく雨が降らず、片寄るのである。これが気候変動である。これはCO2増加による温暖化だけが原因ではなさそうだ。ダムが増えると地下で負荷が変わって地震が増えるという報告もあるらしい。
輸入食品は80%を超えている?
テレビや新聞で「60%以上を輸入にたよっている日本では」というが、日本産の肉類や乳製品、鶏卵などのもととなる家畜の餌は大部分日本産ではない。間接的な食料品を詳しく調べると輸入食品は80%以上を占めているといえる。
米は不足している
「米だけは余っている」と思っているのは大きな間違いである。人口7千万人のとき、増産しても2合3勺しか配給できなかった。しかも裏作の麦も作っていた。いま人口は1億2千万を超える。輸入が止まったら食糧は半分以上も足りないのである。その時期は刻々と近づいている。中国・インドが経済成長しているから、彼らの農業人口が年々減ってゆく。世界の食糧は24倍の人口の彼らが買うであろう。95%の人が農業を知らない日本人はいったい何を食べて生きてゆくのだろう。

(『緑の地球』122号 2008年7月掲載)







